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2006年03月11日

スペイン・アンダルシア旅行記 マイレーナ・デル・アルコール

Posted by イガ at 13:02

3月11日(土) セビージャ(Sevilla) (晴れ) マイレーナ・デル・アルコール(Mairena del Alcor) (晴れ)

01:30 目が覚めた。まだまだ時差ボケ。

03:00 あれから寝付けない。

06:00 起床。あまり眠れていない。朝食に昨日の夕食でバルから持ち帰ったオレンジを1個、持参のチョコレートを1個、これまた持参したカロリー・メートを一袋。

06:30 ストレッチ。

07:20 宿を出発。徒歩でバス・ターミナルを目指す。

07:35 バス・ターミナルへ到着。インフォメーションでバスの乗り方を確認した。どうやら事前のチケットは不要で、バスに乗るときに目的地までの料金を支払うシステムらしい。25番のバス亭へ行くように教えてくれた。

07:45 バスが来た。ボク以外に5人くらいが乗り込む。一応運転手にマイレーナ・デル・アルコールへ行くか尋ねたところ、行くらしいが受け答えに愛想がない。1.75ユーロのレシートが2枚で3.50ユーロ取られた。バスはセビージャ市街を抜けハイウェイを走る。太陽は常にバスの進行方向にありとても眩しい。

08:15 マイレーナ・デル・アルコールへ到着。乗るときはバスの前方の入り口だったが、通りの真ん中で停車しているのに前方の入り口は開かない。そして後ろを振り返ると後方に降車口があり、10人くらいが降りていった。急いで運転手に確認するとここがマイレーナ・デル・アルコールだそうだ。慌てて降車口から降りる。ボクが最後だった。



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さてと。何もわからない。果たしてここがマイレーナ・デル・アルコールであるかどうかさえもわからない。2、3人の乗客はすぐ市街地へ消え、残りはバスが来た通りを行き、交差点の信号を左へ渡っていった。工事関係者のようだ。ボクもバスが来た通りを行き、交差点を目指す。その最中にここがマイレーナ・デル・アルコールであることを示す標識が立っていた。
マイレーナ・デル・アルコールの標識

08:20 交差点からすぐのところにバルを見つける。迷わず入ってカフェ・コン・レチェ(Café con leche)を頼む1.00ユーロ。すかさずこの街にインフォメーションがあるか尋ねたところ、どうやら無いらしい。やれやれ、地図すら手に入らないではないか。人づてに聞きまわるしかなさそうだ。

そもそもどうしてこんなインフォメーションもない、おおよそ旅行者が訪れることのないであろう街へ来たのか。そう、ここはあのアントニオ・マイレーナ(Antonio Mairena)の街だからである。非ヒターノでありながら正統派カンテ・フラメンコの王道と言わしめた彼の街だ。目的は2つ。一つは彼の墓参り、もう一つはカサ・デ・アルテ・フラメンコ・デ・アントニオ・マイレーナ(Casa de Arte Antonio Mairena)(アントニオ・マイレーナのフラメンコ芸術の家)を訪れることだ。

バルのおやじさんに聞いてみるが、早朝にも関わらずお客が多くてボクの相手ばかりはしていられない風である。彼とのやり取りを恐らく聞いていたであろう、朝からウォッカみたいのをショット・グラスで飲んでいるボクのすぐ右横のおじさんに返す刀で聞いてみる。

「ね、どこにあるのお墓?」明らかに彼は面倒くさそうだ。でもボクは必死だ。何しろ誰かに聞かねば何もわからないのだから。面倒くさがる彼を無理やり質問責めに遭わせ、こっちのペースに引き込む。必死さが伝わったのか徐々に相手をしてくれるようになる。

どうやら市庁舎へ行けばいろいろ教えてもらえるらしいが、今日は土曜日なのでやっていないであろうこと、アントニオ・マイレーナのお墓があるサン・ホセ墓地(Cementerio San José)はバス通りを進んで5つ目の信号を左にそれた道にあるらしいことを教えてくれた。

彼は眼鏡を掛けてボクが作った自作の資料を手にとってまじまじと見つめる。そこにはセビージャでやらねばならぬことが写真付きでリストになっている。裏面は今回は見送ったウェルバ(Huelva)編になっていてパコ・トロンホ(Paco Toronjo)の写真がある。それを見た彼は「オマエはアフィシオナード(愛好家)か?」と聞く。「そうだ」と答えると「ケケケ!」と笑った。物好きなヤツだとでも言いたそうである。そしてそこに偶然ささっていたセビージャの地図の裏表紙の写真を指差して「この先にアントニオ・マイレーナのモニュメントがあるんだぞ」とアントニオの身振りを真似て両手を広げたポーズをする。その写真とはグアダルキビール(Guadalquibir)川沿いにある黄金の塔(Torre del Oro)だった。そこにアントニオ・マイレーナの像があること教えてくれたのだ。ありがとうおっさん!

08:45 大通りを進む。ゆるい下り坂の通りに沿って公園がある。アルコールの名のとおりこの街は丘の上にあるのだ。そこからの景色がとても美しい。小高い丘から遠くの景色が見渡せるのだ。
大通り沿いの公園、美しい!

08:55 サン・ホセ墓地へ到着。ここまで30分くらい歩くが、言われたとおりいくつか目の信号の際にサン・ホセ墓地への標識がたっていて道順は易しい。墓地は誰も居らず、シンと静まりかえっている。とにかく美しい場所だ。正門をくぐると中門までが小道になっていて両脇にオレンジの木が植わっている。門の壁は真っ白に塗られ、鎖につながれた大きな犬と放し飼いにされた小さな犬が一匹づついる。小さな方は尻尾を振って寄ってくるが警戒して身体を触らせはしない。
サン・ホセ墓地の小道
サン・ホセ墓地の表札

中門の壁の右端にサン・ホセ墓地のタイル造りの表札があり、中門をくぐるとすぐ左手にアントニオ・マイレーナの眠る墓があった。中央に彼の像が、そして左右にはニーニャ・デ・ロス・ペイネス(Niña de los Peines)とファン・タレガ(Juan Talega)の顔が配置されているのですぐそれとわかった。黙とうし、日本からお墓参りにやって来たことを報告する。感慨深い瞬間だった。
マイレーナの墓
正面から見たマイレーナの墓
「金の鍵」を握ったマイレーナの像!

09:10 サン・ホセ墓地を出発。元来た大通りを引き返す。途中ガレージのような場所でツナギ姿の男性にカサ・デ・アルテ・フラメンコ・デ・アントニオ・マイレーナの場所をたずねた。どうやら結構近いらしく、大通りを渡った反対側の通りを入って行け、と教えてくれた。

09:30 カサ・デ・アルテ・フラメンコ・デ・アントニオ・マイレーナへ到着。博物館か何かと思っていたらバルだった。少し拍子抜けした感じ。入って見るとお客は誰もおらず、朝っぱらからビールを注文してちびちび飲みながら店内の様子を伺う。壁にはアントニオ・マイレーナや他のアーティスト(たぶんこの街の出身なのだろう)の写真が飾られ、マイレーナ・デル・アルコール市(?)がこのバルに寄贈したらしいタイル画も掛かっていた。

5分もしないうちに近所の人たちがドヤドヤやってきて店が混み始めた。バルのご主人にいろいろ聞きたかったけど止めておいた。勝手ながらここのご主人はアントニオ・マイレーナの血縁なのかなー、とか思っている。頭のハゲ具合とか顔立ちとか振る舞いとかがそう思わせるのだ。彼にお断りして店内の写真だけ撮らせてもらった。
カサ・デ・アルテ・フラメンコ・デ・アントニオ・マイレーナ
マイレーナの絵
マイレーナのタイル画

勘定を済ませて店を出る。ビールとおやつ用のチョコ・バーが2つで3.50ユーロ。このバルは広場に面していて、横には小さな教会がある。広場のベンチに腰掛けて日記をつけることに。すぐ隣のベンチにおじいさんが座っていたので声を掛けてみた。「この広場は何ていう名前でしょう?」彼は何も言わずトコトコと歩き出し一つの建物の上の方を指差して「ホレ!アントニオ・マイレーナ広場(Plaza Antonio Mairena)じゃよ」と教えてくれた。声を掛けられたことが嬉しかったのか、あのバルには行ったかとか、この街にも城があるとか、おまえそこは寒いからこっちの日なたに座れとか、色々世話を焼いてくれてた。ありがとね、おじいさん。
アントニオ・マイレーナ広場
アントニオ・マイレーナ広場の標識

10:00 アントニオ・マイレーナ広場を出発。元来た道を戻る。
戻る時に見つけた標識

10:20 大通りをバスから降りた辺りへ向かって歩いている途中でバルへ立ち寄る。カフェ・コン・レチェ(Café con leche)で0.90ユーロ。この店は近所のオヤジ達の社交場らしくとても騒がしく、床には紙ナプキンと砂糖の袋が散乱していた。バルにもいろいろカラーがありますね。
バルに貼ってあったコンクールのポスター

10:50 大通り沿いの公園で時間を潰す。なぜなら通行人に帰りのバスを確認したらバス亭向かいのバルに聞けと、そして聞きに行くとセビージャ行きは12:10とのこと。この後街中も少し歩いてみたけれど特に何も無かった。

12:10 ほぼ時間どおりにバスが来た。1.75ユーロ。行きは3.50ユーロで倍取られたってことか、ヤラレタナ。

12:55 セビージャへ到着。帰りのバスはラジオでホセ・メルセー(José Mercé)のタンゴ(Tangos)が流れていたのと、2両目に乗っていたせいか少し酔ったかな。

13:15 角のパン屋でパンを2個と水を2本買って宿へ到着。2.80ユーロ。

13:20 部屋に荷物を置いて昨晩行ったバル・マリスカル3へ。ビール、サラダ、パエジャ(Paella)、オレンジのセットで8.50ユーロ。なぜまた来たかというと少し太めな娘さんの感じが良かったから。しかし今日は居らず、おまけに家族喧嘩の真っ最中だった。10歳くらいの娘とその母の喧嘩、それに加わる祖母、3世代大バトル。サンタ・クルス(Santa Cruz)どたばた食堂。

14:25 宿が掃除中だったので少し散歩をして宿へ。日記をつける。

14:50 シエスタ。

17:00 起床。マイレーナ・デル・アルコールの出来事が思い出深く、気持ちが高ぶって寝られなかった。

20:00 宿を出る。

20:25 夕食の店を物色するが結局エル・コルドベスにした。ビール、ツナのマリネ、ポテトのアリオリ(Patatas Alioli)で4.80ユーロ。しかしいつもと違うのはカウンター・デビューを果たしたことだ。だから何だという訳ではないけれど、ショー・ケースのタパを指差して「あれちょうだい」とかできるからカウンターの方が便利かな。

20:50 宿へ。シャワーを浴びたあと洗濯をする。

22:00 就寝。


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