スペイン関連書籍「スペイン七千夜一夜」堀越千秋
Posted by イガ at 20:20タイトルにある七千夜というのは20年間のスペイン暮らしとのことだそうな。長いスペイン生活の一部を垣間見ることができます。
フラメンコは現地での生活のほんの一部分に過ぎず、殆どの話は氏の生い立ちとか日々の暮らしとかで埋め尽くされています。
さすがに20年もいるといろいろあるんだなぁ、と思った。エッセイなんだからフィクションってことはないはずだけど、日本ではちょっと考えられないような事件がいっぱいあって本当に楽しめる本です。
そもそも画家という職業の人は珍しいし、その上カンテを唄うなんて相当な珍種ですよね。珍種じゃあいろいろ事件も起きるだろうなぁ、とかついつい勝手に分かったつもりになってしまった。
ボクは日本で2回だけ氏の唄を聴いたことがあって、1回は堀君主催のパリージャ・デ・ヘレスのオメナヘ、もう1回がディエゴ・アグヘータのライブ。
どちらもビール片手にステージに出てきて、よっこらしょ、と座ってからしばらく小話があった。飄々としてニコニコしながら楽しそうに話す様がなんとも浮世離れした人だなぁ、と思った。
そんな氏がどんな人でどういう物の見方、どういう物の考え方をするのかを楽しむ本でしょう。フラメンコの話ばかりじゃないところがかえって面白いと思う。
一番ガツーンと来たのが一番最後の「他人のものさし」というタイトルのやつで、つまりアートなんてものは、
時代を超越して歴史に残る作品が存在する、というのも錯覚である。よい作品が残るのではない。これは良い作品だ、と言われた作品が残るのである。
そして世の中の人はピカソとセザンヌの本当の良さなんて分かるはずもなく、心の底から感動なんかしていないのだ、と。
そして、
ちなみに私はセザンヌに感動します。
と。
だから氏は画家なんだろうね、と思った。
ボクはこれと同じようなことをフラメンコで感じていて、みんなフラメンコが好きだというけれど、ほとんどの人は心の底から感動なんかしていないんじゃないかと思う。
ちなみにボクはプロの唄い手でこそないけれど、ブログを書いたり、ちっぽけだけどサークルをやったりしているのはカンテを聴いて心の底から感動しているからなのですよ、と思った。
追記:そういう思い込みって必要ですよね、ってことが言いたかった。
とうわけで、エッセイが好きな人にはおすすめです。
915回でした。日割りだと1日30回か、うーん。

























