手作り靴7 サンダル その3
Posted by イガ at 10:19
サンダルが完成しました。
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サンダルが完成しました。
はい、出来上がりました。
このモカシンは今までの靴と違い、袋状の構造になっているのが特徴です。専用の木型を起こしたこととも関係しますが、履いたときに足を覆う靴下のような感覚があります。
靴自体の構造が原始的で、基本的に革一枚で足を包み、ソールを貼っただけです。つま先やかかとの芯はなく、ライニングすらありません。従って作業工程が単純で、あっという間に完成した感じがします。
それ故、この靴も長い時間履いて長距離を歩く靴ではありません。つっかけに毛が生えた程度のご近所履きでしょう。しかし履き口の回りをぐるっと1周している紐を引っ張って結ぶことで履き口を締めることができ、歩いていて脱げることはありません。この手の靴で割りと見かけるのがドライビング・シューズです。平らな底を付けて車の運転用に仕立てたものですね。
またまたジジ臭いかも・・・^^;
ローファーの完成です。
自分の足に合わせた専用木型なので、一応問題なく履けることが確認できました。
「一応」という表現にしたのは、履き口のかかと部分に若干の隙間ができてしまう為です。ただし歩行時にかかとが付いてこないほどではないのでとりあえずOKといった感じでしょうか。改めて木型作成の奥深さを感じました。
このローファーはボロネーゼ製法なので、前足部に通常の中底を用いない分、靴の返りが良いです。従って隙間があってもかかとが付いてくるのはボロネーゼ製法のお蔭と言えるかもしれません。
最もオーソドクスと思われる意匠で作りました。ただの黒いローファーなんですけどきれいにできました。
余分な革は切り落としてソールを貼り付けます。
ヒールを付けて、コバの仕上げが終われば完成です。
まず履いてみて感じたのは、静止状態でのフィティングはOKでも、歩くとかかとが少し浮いてしまうことだ。くるぶし付近に余裕があるので少しかかとの付きが甘くなるようだ。
そもそもこのサイド・ゴアってやつは、フィッテングの確かさよりも脱ぎ履きの容易さを優先されて作られた靴であろう。履き口の内外に付けられたゴア(ゴム)の伸縮によって、筒状に作られた足首部分でも足入れを可能にしつつ、履き終わったら広がりが元に戻る仕組みである。そしてさらに作る際にも木型の甲の部分に乗せ甲して、足入れ時の隙間を確保する。(これはブーツ全般で行う)
そんな構造の靴でしっかりフィッテングさせるって難しいんじゃないかな、というのが正直なところか。やはりグッド・フィッティングは紐靴が良いですね。
ところでサイド・ゴアの発祥って本当にイギリスなんでしょうか?チェルシー・ブーツって呼ばれてビートルズが流行らせたからイギリスの靴と思っていたけれど、コンセプトと構造がイギリス人気質に合ってない気がしませんかね?インターネットで少し調べたけど判りませんでしたが。
また、この靴は軽くてとても屈曲性が良いです。屈曲性が良いのはステッチ・ダウン製法であるのと、ゴム製の底材を使用したためでしょう。従って返りの良さがかかとの付きの悪さをカバーしています。この辺は靴の構造と、製法と、使用する材料とのバランスが大事になってきますね。
見た目はシックで気に入ってますが、ちとジジ臭いかなぁ・・・。
これから底付けです。今回の素材は軽スポンジで、ハーフ・ウェッジ・ソールにします。軽スポンジは通常のスポンジに比べて軽いのですが、耐摩耗性に劣るという欠点があります。
グラインダーで余分を落としたら、マスキングをしてコバ仕上げです。
はい、出来たよーん。
今回はフォーマル・シューズの内羽根を普段履き出来るように仕上げました。底材を軽スポンジのハーフ・ウェッジ(ウェッジなんだけど踵に段あり)にし、大きめの鳩目に太めの紐、履き口は太めのパイピングを施しました。また靴紐の先に高級な靴で行われる共革の飾りをしてみました。
こいつは初めて自分専用のラスト(木型)で作った靴なので「大丈夫か?」と心配でした。でも履いてみるとかなりしっくりいっているように感じられました。内羽根の場合、甲の寸法が合っていないと履いた時に羽根がぱっくり開いてしまい、非常に不恰好です。何より甲部のフィット感が違います。さすがMY木型。
きれいに出来ました。我ながら良い出来だと思います。モゲさん(師匠)に見せに行ったら「素人離れした靴を作るなぁ」とお褒め(?)の言葉を頂き嬉しくなりました。とは云え反省点は尽きることなく、まだまだでござるなぁ・・・。
ビッグ・トウ三兄弟を並べてパチリ。
♪ぱんぱかぱーん。プレーン・トゥの完成です。
外羽根ではフィット感が一段と増します。これは左右の羽根を紐で締め付けることで甲部をしっかりと押さえることができるからです。
また、外羽根は履いた時に両足の内外の羽根が真っすぐに付いていると美しく見栄えがします。
今回のソールはスポンジのウェッジ・ソールにしてみました。デザイン的な観点からウェッジ・ソールはフラット・ソールに比べてカジュアル性が高いです。スポンジはゴムに比べて軽量であるのに対し、靴の返りが悪いのと対磨耗性が低いという欠点があります。
細かい部分で反省点は沢山あるけど、まあまあイメージどおりかな。甘~い感じなので"CARAMELO"(キャラメル)と命名することにしました。
手作りの靴っていいもんですね、フフフ。
ラスト・スパートー!
接着力を増すためにソール接着面の革をグラインダーとサンド・ペーパーで削って毛羽立たせる。
くぼみにペースト状のコルク材を詰める。
そしてソールを貼り付けて圧着機という機械でぎゅー、っと上下から圧を掛ける。インソールを入れて完成でーす。
生まれて初めて作ったので、技術的にはまだまだ。でも細部の仕様は自分で決めたものなので、デザイン的な観点から言えばかわいらしくできて満足かな。
インソールにはスペイン語で手書きネームを入れた。別に日本語でも英語でも良かったんだけど、靴を作るという行為も自分の中ではスペインとフラメンコに繋がっているからね。手書きにしたのも手作りならではなので。
ちなみに手前ミソながら"SUAVE"という名前を付けた。一枚甲という靴のシンプルな外見に合わせて、全体的に優しい色合いと、コバの張らない控えめなソールに仕立てたので。SUAVEは「滑らかな」とか「柔らかな」という形容詞ですね。
肝心な履いてみた感想だけど、甲部の支持感は今までにないものだ。足を包み込むような少し締め付けるような感触。これは店売りの既成靴では体験できない「グッド・フィッティング」に近づいていることを意味している。
「近づいている」という表現なのは、今回使った靴木型が出来合いの木型であり、自分の足から起こした木型ではないからだ。ボクの足は若干細長いので内側の土踏まず部分に多少の遊びができてしまう。より完璧を目指すためには自身の足の木型が必要であることも実感できる。
履いて実際に歩い場合の評価はまた別になるのだけれど、フィッティングの何たるかをほんの少し垣間見た気がするよーん。